【インタビュー】日本市場に向けた2024年度の営業戦略を発表 - Naji Kazak (Managing Director, EMEIA & APAC - Alaris)
コダック アラリスは、イーストマン・コダックの写真フィルム事業とスキャナー事業を引き継いだ企業だ。現在ではドキュメントスキャナー製品が、大量の文書をスキャンするときの手間や時間を削減する独自のPerfect Pageテクノロジーにより、企業のデジタル化にともなう書類スキャンの需要をとらえている。
コダック アラリスのAPAC(アジア太平洋地域)のマネージングディレクターに、EMEIA(欧州、中東、アフリカ、及びインド)のマネージングディレクターでもあるNaji Kazak氏が4月に就任した。そのKazak氏に、日本での事業について話を聞いた。
――EMEIAとAPACにおけるコダック アラリスの現在の市場状況について教えてください。
Kazak氏:EMEIAとAPACの両方ともにビジネスチャンスがあると考えています。ニーズに適応していくためにもパートナーを支援してシェアを増やしていきたいと考えています。
――その中で日本の状況はいかがでしょうか?
Kazak氏:日本はトップ5に入る市場です。そこで、オフィスやデモセンターにさらに投資していきます。また、パートナー営業やマーケティング、管理部門などのチームについてもより投資していきます。
――では、そのような日本市場で伸ばしたい分野はありますか?
Kazak氏:日本のお客様を助けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を支援させていただききたいと思います。まず、デジタルのコンテンツとして、紙の文書のスキャンや、メール、SNS、音声などから情報を収集して、それらを整理して必要な情報を抽出できるようにソリューションを提供していきます。日本はまだその初期段階にいると考えていますので、大きな効果が得られると考えています。
――コダック アラリスには、スキャナー事業や、スキャンしたデータからキャプチャ(情報抽出)、さらにそれを使ったソリューションなどの分野があります。その中で特に今年フォーカスしようとしている分野はどれになりますか?
Kazak氏:スキャナー事業は売り上げも大きく安定的に成長していますので事業を確実に成長させます。そして、成長率が高いキャプチャやソリューション事業に、私たちは今年は重点を置いています。具体的には、AIエンジンやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などのテクノロジーを活用し、お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進することに力を入れています。これにより、お客様がDX実現と支援をスムーズに進められるようサポートしています。
――短期的に、たとえばこの1年でフォーカスしていく部分はあるでしょうか?
Kazak氏:1年間はDXを普及させ、実現をさせるためには短い期間です。まず手がけることとしては、ソリューションパートナーとのアライアンス活動に力を注ぎ、インテグレーション能力を高めたいと思っています。それによって、それぞれ固有の市場にきちんと適応できるようにしていきます。
――日本市場に向けた戦略はあるでしょうか?
Kazak氏:主な戦略としては、パートナーの基盤を拡大していくことがあります。弊社には多くのパートナープログラムがあり、日本市場にも展開していきたいと考えています。これにより、銀行やヘルスケアなど、各業界向けのソリューションを届けていくことに力を注ぎたいと思います。
――日本やAPACでまだ市場を取り切れていない分野はどのようなものがあるでしょうか?
Kazak氏:プロダクションキャプチャーの分野でわれわれは、EMEIAでは市場シェア1位の地位を確立していますが、APACでは2位にとどまっています。そこで、いまEMEA展開している成功したプログラムをAPACにも導入して、市場シェア1位をとりたいと思っています。